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リプロス代表・松尾充泰の賃貸経営ノウハウ

賃貸管理会社はどちらの味方

 「賃貸管理会社はどちらの味方?」
 大家さんから、こんな不満をしばしば聞きます。

 その意味は、入居者、大家さん、どちらの味方か、ということですが、結論を先に言えば、大家さんの味方のはずです。

 なのに、そのような事を大家さんが言うのは、ほとんどの場合は、賃貸管理会社との信頼関係がないのだろうと思います。

 問題はそこにあります。

 ところで、大家さんにどうして、そのように感じるのですか?

 と尋ねると、退去時に入居者が負担すべき修繕費用をこちらに請求するからだと。

 大抵はこのようなことです。

 つまり、入居者が負担すべき費用を不当に大家さんが負担させられていると感じているのだと思います。

 この事は、国交省の原状回復のガイドラインが発表されて以降の賃貸管理会社がトラブルを未然に防ぐためにとった対応の結果ではありますが、それ自体は原因ではありません。

 私はこのように大家さんが感じるのは、大家さんに対する説明不足が最大の原因だと思っています。

 つまり、ガイドラインの内容そのものの説明や特約の成立要件などが正確に説明できていない可能性があるのではないか、と。その次は、大家さんが負担すべき費用をガイドラインに従って簡単に決めている担当者もいるのではないかということです。

 もし、違ったとしても、少なくとも大家さんにそう思われているのでは、と思うのです。

 一生懸命に仕事をしていても、そのように思われるのは非常に残念です。

 しっかりと、その努力を説明しなくてはならないのだと思います。

 そして、最後の問題の原因は大家さん自身にあると思います。

 私は最初に「賃貸管理会社はどちらの味方?」の結論として、大家さんだと書きましたが、この考え方自体が、おかしいと思うのです。

 なぜなら、大家さん、賃貸管理会社、入居者の関係において敵味方はないのです。

 入居者は大家さん、賃貸管理会社にとって、大切なお客様です。

 賃貸管理会社が入居者を大切にするのは、大家さんのお客様を大切に扱っているに過ぎません。

 それに、退去する入居者は関係ないと思うかもしれませんが、それは、違います。

 私が賃貸仲介の営業をしている時でしたが、部屋を探しに来た人が名指しで、○○○会社の管理物件だけは、避けて下さいと言います。

 一人や二人ではありません。

 その理由を聞きますと退去時にリフォーム代として、多額の費用を負担させられると聞いたと言うのです。

 実際に私も、過去に紹介したお客様から退去時の費用について相談を受けたことがあり、この会社はやり過ぎだという印象を持っていたので、案内をすることはありませんでした。

 入居者の不満は、必ず外に漏れるものです。

 そして、借りる人だけではなく、賃貸仲介業者までをも、その物件から遠ざける結果になることもあるのです。

 そうなれば、物件を満室経営すること自体難しくなります。

 だからこそ、退去する入居者を含めて、大切に扱う必要があるのです。

 もっとひどい大家さんになると、入居者に貸してやっているという感覚をお持ちの方がいますが、それも間違っている、と気づいてください。

 あなたがホテルに泊まって、ホテル側が泊まらせてやっているという態度だとどうですか?

 それと同じことです。入居者に感謝の気持ちが必要なのです。

 最後にまとめになりますが、このような問題を解決するためには、賃貸管理会社が大家さんに充分説明をすることによって、信頼関係を構築することです。

 もし、充分に説明できないようであれば、賃貸管理会社の行動自体に正当性がなく問題があるのかもしれません。

 そのような場合は、賃貸管理会社自身が自問自答し、正当性を確認してみると良いと思います。

 そして、最後に入居者に貸してやっていると考えている大家さんについては、是非、考え直して頂きたいと思います。

 どうか、お客様があっての商売だと気づいて頂きたいと思います。

2006.07/25

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松尾充泰 (まつおみつひろ)
(賃貸不動産経営コンサルタント)
昭和43年大阪生まれ。
96年に賃貸不動産業界での職務経験を生かし、賃貸不動産業界向けソフトウェア開発会社、アクセス株式会社を設立。その後、賃貸不動産会社に対する業務コンサルティング、大家さん・賃貸不動産業界のビジネス支援サイトを運営する、株式会社リプロスを2003年に設立。