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公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ

交際費課税制度の改正

平成18年4月から交際費課税の取扱いが、変わりました。これまで、お得意様を接待する為に行かれたスナック等での飲食費は、全て交際費として取扱われ、税務上一定の限度額までしか損金として認められませんでした。
しかし、この平成18年度の改正で1人あたりの飲食費が5,000円以下となるようでしたら、お得意様とのスナック等での飲食費につきましても全額損金として算入することが出来るようになりました。
今回は、この改正について詳しく見ていきたいと思います。

改正の概要
交際費のうち1人あたり5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く)で飲食その他これに類する行為のために要する費用については、一定の要件を満たしたものである場合には、交際費等から除外されます。

一定の要件とは
1その飲食等のあった年月日
2その飲食等に参加した得意先、仕入れ先、その他事業に関係する者の氏名または名称およびその関係
3その飲食等に参加した者の数
4その費用の金額ならびにその飲食店、料理店等の名称およびその所在
5その他参考となるべき事項

上記の事項を記載した書類を保存していることが条件です。

交際費等の損金不算入制度
法人が支出する交際費等については、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度の場合、事業年度終了日における資本または出資の金額(以下、期末資本金という)により、次の通り規定されています。

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交際費判定フローチャート

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会議費との関係
交際費そのものの考え方が改正されたものではないので、従来から交際費等に該当しないこととされている会議費等(会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用など)については、1人当たり5,000円超のものであっても、その費用が通常要する費用として認められるものである限りにおいてはこれまで通り交際費ではなく会議費となります。

適用時期
法人の平成18年4月1日以後開始する事業年度分又は連結事業年度分の法人税について適用することとされました。 ※ また資本金の額又は出資金の額が1億円以下の中小企業者に対して講じられていた定額控除限度額(年400万円)までの金額の損金算入割合を交際費等の額の90%相当額とする措置の適用期間が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までに開始する事業年度又は連結事業年度まで延長されました。

5,000円以下の飲食費の損金算入Q&A

資本金0円会社の場合、交際費等損金算入限度額はいくらになりますか?
 
資本金等の額を0円(又はマイナス)有する法人として考えることとなるため、「資本又は出資を有しない法人」には当たらないことになります。
したがって、資本金等の額が0円(又はマイナス)の法人は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の中小法人となるため、交際費等の損金算入限度額については、単純に定額控除限度額400万円に達するまでの額の90%となります。

 

 

「一人あたり5,000円以下」であるかどうかは、1回の接待で支出する金額を基準として計算するのですか?

 

二次会、三次会と店を変えるような場合には1軒の支払い先ごとに金額と出席人数とで5,000円以下になるか判断します。飲食等の場所があらかじめセットされたコースで総額が決められているような場合は、そのコース全体に係る飲食費を基礎として判断する事になります。

 

 

飲食等の接待の際に贈答品を贈る場合、その費用も含めて判断してもいいですか?

 

贈答品は飲食等の費用とはいえないので、金額にかかわらず交際費等となります。単なる飲食物の詰め合わせ等の差入れについても同様に交際費等となります。

 

 

ホテル内の飲食店等を利用する場合、飲食費と合わせて請求されるサービス料は含めて判断するのですか?

 

ホテル等の場合、テーブルチャージ料やサービス料等は飲食の本体料金と一体のものといえますのでサービス料を含んだ支払い総額で判断します。

 

 

飲食等の接待にあわせてタクシー代を支出しましたが、飲食等に要する費用に含めて判定するのですか?

 

タクシー代等の飲食店への送迎費用は飲食店に対して直接支払うものではない事から飲食等に要する費用には含めず交際費等となります。

 

 

一人当たりの飲食費が5,000円を超える場合、社長等がその超える部分を負担すれば5,000円以下の部分を損金算入することが出来ますか?

 

社長等が飲食費の一部を負担し、会社が実際に支出する金額を5,000円以下としても、飲食等に要した費用としては5,000円を超えるので、会社の支出部分を損金算入することはできません。
2006.11/21

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友弘正人 (ともひろまさと)
(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
昭和24年生まれ。
中央大学商学部卒業。昭和50年公認会計士第2次試験合格開業。監査法人大成会計、アクタス監査法人社代表社員を経て、平成12年株式会社トータル財務プラン代表取締役。株式会社アート相続プラン代表取締役を兼任している。
NHK文化センター、商工会議所、日本経済新聞社、中小企業センター、三和総研、日本総研、その他講義・講演マネジメントサービス活動を展開。
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