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公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ

電子帳簿保存法が改正されました

1.はじめに

 電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)は、1998年に制定された法律で国税関係帳簿書類について電子データによる保存を認めています。近年、高度情報化・ペーパレス化が進んでいることを踏まえ、令和3年度の税制改正において抜本的な見直しがなされました。この改正により電子帳簿の保存要件が大幅に緩和され、多くの会社で利用されやすくなるものと思われます。今回は電子帳簿保存法についてわかりやすく説明します。

2.電子帳簿保存法とは

 電子帳簿保存法は、これまで紙で保存する必要があった会社の申告に必要な書類や帳簿などを電子データで保存することを容認したこと及び電子的に授受した取引情報の保存義務を定めた法律です。電子帳簿保存上、電磁的記録による保存は以下の3種類に区分されます。

3.電子保存可能な書類

 電子保存可能な書類を1.電子帳簿等保存、2.スキャナ保存、3.電子取引に分けて説明します。

【電子帳簿保存の対象】

【スキャナ保存の対象】

【電子取引の対象】

 電子取引とは取引情報の授受を電磁的な方式により行うメールなどの取引をいい、電子契約をした場合の契約書、領収書などがデータ保存の対象になります。その他に電子マネーによる決済をした場合の電子的な明細なども対象になります。

4.電子帳簿保存等の見直しについて

 電子帳簿保存の対象の書類をデータ保存するには、改正により下記の3と4の要件を満たせば適用することができます。自社が使用している会計ソフトが電子帳簿保存法に対応しているかの確認が必要です。

★過少申告加算税の軽減措置が受けられる

 改正前の1から5の全ての要件を満たす形でデータ保存する場合は、その帳簿データの記録事項について申告漏れがあっても過少申告加算税が5%軽減(申告漏れに係る法人税等の5%相当額を控除)することができます。ただし、申告漏れについて隠蔽し、又は仮装された事実がある場合には本措置の適用はありません。あらかじめ税務署に届出書を提出することが必要です。

5.スキャナ保存の見直しについて

 前項の国税関係帳簿である契約書等のスキャナ保存について、下記の要件を満たすと紙による保存は不要になります。しかし、スキャンミス等があった場合は書類の保存義務を満たしていないことになり、再度書類を交付してもらうことになるので注意が必要です。

6.電子取引の保存について

 今回の改正により、全ての事業者に影響を及ぼすことになるのがこの電子取引の保存制度になります。前項までの「電子帳簿保存等」や「スキャナ保存」は事業者の選択適用ですが、この制度は電子取引を行えば自動的に適用されることになり、いままで代替措置である紙出力の廃止により、令和4年1月1日から電子データによる保存が義務付けられます。メールで請求書を受領している場合、紙に出力して保存することができなくなります。
 要件としては、上記「5.スキャナ保存」の要件である「タイムスタンプ等」又は「検索機能の確保」があります。その他の要件として、正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規定を定めることがあり、いずれかの要件を満たす必要があります。この場合において、保存義務者が売上高1,000万円以下の事業者の場合には、全ての検索要件を不要とします。
 従来のように紙で保存している場合は、保存すべき電子データの保存がなかったものとして青色申告の承認の取り消しの対象となりますので注意が必要です。

7.最後に

 電子帳簿保存についての改正で令和4年1月1日以降から利用手続きが簡素化になることを中心に説明しました。書類を紙で保存することで保管場所を確保しないといけないこと、印刷コストがかかること、紛失のリスクがあることを考えるとこの改正を機に電子帳簿保存を検討すべきかと思います。

2021.09/21

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友弘正人 (ともひろまさと)
(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
昭和24年生まれ。
中央大学商学部卒業。昭和50年公認会計士第2次試験合格開業。監査法人大成会計、アクタス監査法人社代表社員を経て、平成12年株式会社トータル財務プラン代表取締役。株式会社アート相続プラン代表取締役を兼任している。
NHK文化センター、商工会議所、日本経済新聞社、中小企業センター、三和総研、日本総研、その他講義・講演マネジメントサービス活動を展開。
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