家中のエネルギーをすべて電気でまかなう、これからのライフスタイルとして注目を集める「オール電化」。クリーンで安心な「IHクッキングヒーター」、エコロジー&エコノミーな給湯システム「エコキュート」など、地球環境にも配慮された画期的なシステムであることは周知の事実だが、賃貸物件としてみた場合のオール電化のメリットは果たしてあるのか。今回は関西電力株式会社 法人営業部 住宅営業グループの冨田和俊さんと、鈴木隆夫さんにお話を伺いながら、話題のオール電化を検証してみる。
オール電化のこれってホント?
Q. オール電化にすると、電気代が高くなる?
A.
電気温水器・エコキュートや電気床暖房は、リビングタイムとナイトタイムの電気料金が通常より割安になる季節別時間帯別電灯契約(「はぴeタイム」)を使用していただけますので、むしろ大変おトクです。特に夜間時間帯は通常の電気料金と比べて約3分の1と大変安くなっており、入居者さまの生活パターンに合わせてご契約いただくことができます。例えば、現在、調理と給湯に都市ガスをご利用の場合、エコキュートでオール電化にすると年間約8万円(電気温水器でオール電化の場合は約6万円)はおトクになります。さらに、IHクッキングヒーターでオール電化にしていただけますと、「はぴeプラン」にご加入いただけますので、「はぴeタイム」料金よりさらに10%も割安になります。(※ご加入には、総容量が原則として4KVA以上の夜間蓄熱式機器が必要です)
Q. オール電化はメンテナンスが大変?
A.
たとえばIHクッキングヒーターは火を使わないため、室内の空気環境をクリーンに保ち、部屋を傷める結露やカビ、不快なダニの発生を防ぎます。そのため、汚れを最小限に抑えることができ、クロスの張替えなど、原状回復費の削減に大きく貢献します。さらに寿命が長いのも特徴で、簡単な部品の交換でさらに長持ちするほか、油煙が広がりにくく、換気扇や壁はいつもクリーンですし、お手入れなどもフラットプレートですから、サッとひと拭きで完了します。また、電気給湯器の貯水タンクは昔と違い、高純度のステンレスを材料としており、サビにも強く、高い耐久性を持っています。劣化や故障の原因になりやすい燃焼部分や急激な温度変化がなく、基本的に定期点検や修理の必要がありません。耐用年数は約15年と言われています。
Q. 電気給湯器のタンクのお湯切れは心配ない?
A.
電気給湯器はどんどん進化して使いやすくなっています。お湯切れの心配も昼間にお湯を沸き増しできる「沸き増し機能対応型」で解消していただけます。急な来客などでお湯の使用量が増えても、いつでもたっぷりのお湯を使っていただけますよ。
Q. 電気給湯器は追い焚きができない?
A.
リモコンワンタッチの「自動お湯張り」や、先程ご説明した「沸き増し機能」に加え、「追い焚き機能対応タイプ」を使用していただけば、もちろん追い焚きも可能です。浴槽の湯量を変えずに、スピーディーに追い焚き。冷めたお湯ももう一度沸かし直しができるためムダがなく、節水効果も期待できます。
Q. オール電化にすると、シャワー圧が低い?
A.
確かに従来の標準圧力型はガスと比較し、やや弱い(85kpa)圧力だったのですが、現在では高圧力型の登場により、ガス並みの圧力でシャワーの使用が可能となりました。給湯圧力が格段に上がったため、湯はり時間も短縮でき、加圧ポンプがなくとも1階から2階への給湯も可能です。
Q. 電気給湯器の置き場所を確保するのが難しいのでは?
A.
集合住宅向け省スペース設計のエコキュートなら、たとえば、メーターボックスやバルコニーのスペース、また、アパートなどの2階までなら、容積の影響のない物件の外など、設置場所を選ばず、敷地や間取りに合わせてすっきり設置できますし、また、これまで集合住宅に設置する上でのネックとなっていた設置スペースについての容積率緩和も、環境負荷の低減の観点から必要な設備として、国交省技術的援助で各自治体の判断によって緩和されるなどの支援体制も整備されつつあります。平成16年2月27日付けで国土交通省より、自然冷媒を用いたヒートポンプ・蓄熱システムを設ける建築物についても、建築基準法第52条第14項第1項の規定による容積率の緩和制度を活用することが可能である旨が、都道府県などに技術的助言として通知されました。これにより、各自治体の判断でエコキュート設置スペースについての容積率緩和が受けられることになりました。これはメンテナンス部分などを含めたエコキュートの設置面積(約1m2/戸)が対象となっており、各自治体の許可が必要になります。
■関西エリアの超高層マンションにおける電化率
21階建以上分譲マンションの電化採用率
供給戸数:不動産経済研究所発表データより
電化戸数:不動産経済研究所発表データに基づき、関西電力にて調査
超高層分譲マンションにおける電化住宅採用マンションの
割合は、年々増加している。
電化住宅採用が増加している理由は、オール電化が持つ
安全性・経済性に加え、電気の快適性が高く評価されているからである。
補助金制度も
自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器エコキュートの設置者に対しての、国による補助金制度があります。
問い合わせ窓口:財団法人ヒートポンプ蓄熱センター
オール電化の多彩なメリット
マンション・アパート経営にみる、オール電化のポイント
オール電化なら・・・
資産としての物件価値を維持
◎ 部屋の汚れや機器劣化が少なく、資産価値を長く保持
◎ 結露やカビが発生しにくく、解約後のメンテナンスも最低限
結露・カビによる被害の比較 (メーカー調べ)
オール電化なら・・・
万一の災害リスクを抑制
◎地震などの災害時にもスムーズな復旧
◎社会的に高まる防災意識にもしっかり対応
ライフラインの復旧状況 (メーカー調べ)
オール電化なら・・・
設計プランの自由度を拡大
◎ガス機器の吸排気工事不要で、給湯器設置場所の制約が減少
◎より機能的なオリジナル設計プランが可能に
電気温水器の設置例:流しの横(タイプA)やパイプシャフト(タイプB)などにスッキリと納まります。
オール電化なら・・・
コスト面のリスクを低減
◎高くつくと思われがちなイニシャルコストはむしろ低減
イニシャルコストの比較
(試算条件)
・新築ワンルームマンション20戸
・キッチンにはキッチンユニット(調理器・冷蔵庫等含む)採用。
・オール電化住宅は、電気温水器200ℓタイプ、IHクッキングヒーターを使用。
・都市ガス併用住宅は、都市ガス給湯器16号、都市ガスコンロを使用。
・総工事費とは異なります。
関西電力株式会社
電化ライフ相談室 0120-869101
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