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リプロス代表・松尾充泰の賃貸経営ノウハウ

失敗する土地活用≪運営編−入金管理≫

 今回は、家賃等の入金管理のノウハウを記載したいと思います。

 前回の記事でも書きましたが、賃貸物件の運営で入居者を管理する重要なポイントは、契約書や共同生活のルールを守って頂くことと、問題が発生したら早期に対応することです。

 入金管理もこの基本はまったく同じです。

入金管理

1入金の記帳と経過などの記録

 さて、そうした入金管理でもっとも重要なのは、当然のことですが入金をしっかりと管理するということです。具体的に言えば、誰の賃料がいつ入金されたか、また、いつからいくら滞納しているかなどを把握しておくことです。

 賃貸経営は商売なので当たり前のことを言うようですが、入金をしっかりと管理できていない大家さんは沢山います。

 ひどい場合は、いつから滞納が始まったのかさえわからないという大家さんもいます。

 現金で賃料を受け取っている場合などは特にそのようなことが発生します。

 そうならないように、入金の記帳や入居者とのやり取りを記録してしっかり管理してください。

 これらが裁判になった時の証拠になることもあるのです。

2思いやりのある早期対応

 また、滞納者の対応は運用の基本でもありますが、早期にしなくてはなりません。

 家賃滞納を早期に対応せず長期間放置したり、支払の約束を守らないことを簡単に許したりすると滞納者は家賃滞納を安易に考えて、滞納金額は増加し、益々支払うことが困難になります。

 滞納者の為にもルーズに扱ってはなりません。

 とは言っても、1日でも滞納したからと言って、厳しく取り立てるのも良くありません。

 例えば、入居してはじめての家賃支払は、最初の契約に含まれていると勘違いして、振込みをしない人もいます。

 つまり、故意に滞納した訳ではありませんし、そんな入居者と人間関係を壊すような催促もいけません。

 電話や書面などで、入居してくださったことに対するお礼を申し上げながら、「何かの手違いかもしれませんが」と断った上で賃料の入金がまだ確認できていないことを伝えれば良いのです。

 そうすれば相手も悪い気がしません。

 また、普段きちんと支払っている人が遅れた場合、入金がない場合は、現地にいくなり電話するなどして「何かありましたか?」と心配そうに伺えば良いのです。

 そして気遣う言葉をかけた後、入居者から「なぜですか?」と聞かれたら「家賃の入金が確認できなかったので何かあったのかと心配しておりました」と言えば、仮にそれが手違いで入金が遅れていたのだとしても、悪い気はしません。また、経済的な問題で支払が遅れていたのだとしても、心配までかけて申し訳なく感じるはずです。

 横着で払わない人であれば、ここは滞納に対して厳しそうだなと感じさせることができます。

 そして、賃料が遅れていることを相手に認識して頂けたら、必ず入金日を約束し、約束の日に入金が確認できなかった場合は、改めて連絡をさせて頂きますと伝えます。

 ところで、翌月纏めて支払いますと言われても、簡単にわかりましたと言ってはいけません。

 早期の集金も重要なポイントです。

 連絡してから1週間以内を目処に支払を約束して頂ける様に交渉してください。

 ここで難しいのは、うっかりした滞納者や横着で滞納する入居者でなく、経済的に支払が厳しい入居者への対応です。

 この場合は、約束の日に支払ができない可能性があります。

 例えば、先月お金が無くて払えなかったという入居者に「来週の月曜日に支払います」と言われ、安易にその日を約束の日にしてはなりません。

 なにかお金を払えるあてがあるのか、支払える根拠をそれとなく聞いておく必要があります。

 そして1回目はその根拠を聞いたうえで、支払日を決めます。

 この時も滞納者に対して温かい気持ちを見せます。

 「大変だと思いますが、頑張ってくださいね」と。

 そして約束の日が来て入金が確認できなければ、1日だけ待って、再度入金がまだであることを確認した上で滞納者に連絡をとり、約束が実行されていない理由を確認してください。

 なんらかの理由を言うはずです。

 或いは、理由にならない言い訳かもしれません。

 それを聞いてあげた上で、一緒に家賃を支払える方法を考えてあげてください。

 例えば、「このままでは、不本意ですが最悪の場合、退去をお願いしなくてはなりません。

 こうした時のために賃貸契約では連帯保証人を付けて頂いているので、こちらの方から賃料を回収させて頂きたいと考えていますが、如何でしょうか?」と。

 こうしたやりとりをしていく中で、滞納者とはいえ、人間関係をしっかりと構築していくのです。

 大半の入居者は、大家さん或いは管理会社の方に迷惑をかけて申し訳ないと思うはずです。

 例えば、再就職が決まって家賃が払えるようになるかもしれません。

 そうした時に思いやりの無い厳しい取立てをしていては、入居者と些細なことでトラブルになったりします。

3思いやりの在る退去命令

 先の続きですが、支払の約束を一緒に計画しても、支払えない場合もあります。

 そうした場合で、2ヶ月目を超えても支払うことができない場合は、3ヶ月を超えると退去をお願いするとしっかりと伝えておくことが大切です。

 そして、次回約束を実行できない場合は、退去を命じられても意義申し立てなく、命じられた日までには退去を実行し、部屋に残した荷物の権利は一切放棄し、処分を貸主に一任すると一筆覚え書きをとっておくと、万一、次回の約束日が実行できなくても、退去を命じやすくなります。(※覚え書きの通りに処分すると消費者契約法などを根拠に訴えられる可能性もありますので、当社は一切の責任を負いません)少なくとも心理的にプレッシャーになります。

 また、入居者にしても、3ヶ月目になって退去を命じられるより、それなりに覚悟もできます。

 ところで、なぜ3ヶ月かと言えば、過去の判例から考えて3ヶ月ぐらいの滞納がないと裁判をしても、退去を命じることが難しいからです。

 何度かの約束を実行できずに、3ヶ月経過した場合は、退去を命じるのか、また、次の約束を信じるのか、これが判断のターニングポイントになります。

 真面目な入居者でも、支払えないのであれば基本的には退去をお願いするしかありません。

 真面目な入居者は、この3ヶ月間、親身に支払計画を一緒に考えてくれた大家さん或いは管理会社の方に申し訳なく思い、退去に応じてくれやすくなります。

 一方、思いやりの無い厳しい取立てだけだと、粘れるだけ粘ろうと入居者が悪智恵を使ったりします。

 滞納者には厳しく接することも必要ですが、思いやりが大切です。

 力で押さえつけると力で反発されるであろうことは、容易に想像がつくでしょう。

 ところで余談ですが、こうした考えは私の中から生まれたものではありません。

 

 私にこうした教えを説いてくださった方がいます。

 私が心から尊敬する私の不動産業界の師匠のような方です。

 仕事の仕方ではなく、仕事に対する考え方や心の持ち方などを教えてくださいました。

 この場を借りて、その方にお礼を申し上げたいと思います。

 (財)日本賃貸住宅管理協会 関西支部 横江理事。
 いつも、ご指導を頂きありがとうございます。
 今後とも、宜しくお願いします。

 さて、次回は投資のタイミングについて、書かせて頂きます。

2007.10/30

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松尾充泰 (まつおみつひろ)
(賃貸不動産経営コンサルタント)
昭和43年大阪生まれ。
96年に賃貸不動産業界での職務経験を生かし、賃貸不動産業界向けソフトウェア開発会社、アクセス株式会社を設立。その後、賃貸不動産会社に対する業務コンサルティング、大家さん・賃貸不動産業界のビジネス支援サイトを運営する、株式会社リプロスを2003年に設立。

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