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イベントレポート

「緊急!賃貸住宅マンション防犯セミナー」 大阪府警本部生活安全部 生活安全総務課 あんぜんなまちづくり推進室長

主催:社団法人全国賃貸住宅経営協会

講師:
大阪府警本部生活安全部
生活安全総務課
あんぜんなまちづくり推進室長
警視 井谷隆雄 氏

 去る10月9日(土)に全国賃貸住宅経営協会・大阪中央東支部が、近年の犯罪増加を受けて、「緊急! 賃貸住宅マンション防犯セミナー」を開催。講師には、大阪府警本部生活安全部 生活安全総務課 あんぜんなまちづくり推進室長 警視 井谷隆雄 氏を招いて公演が行われました。

犯罪件数は増加している
 日本が「安全と水は無料」と言われた時代は終わりました。犯罪件数(刑法犯認知件数)は年々増加し、昭和48年には119万件であった犯罪件数が、平成10年には200万件を突破し、平成14年には285万件と過去最多を記録しました。これは、昭和48年の2.4倍もの数値です。平成15年は犯罪件数の増加を受けて、警察官を増員したことで279万件と一時的に減少しましたが、今後は増える傾向にあります。
 大阪の犯罪件数は、昭和48年で9.8万件、平成13年には全国ワースト1となる32.7万件という不名誉な記録を樹立しました。昭和48年から約3.3倍の増加と、全国の犯罪件数増加率と比べても、1割近く多く犯罪が増えています。そのため、大阪では平成14年に「安全な街づくり条例」を施行し、「街の死角を無くす」などの決まりが儲けられました。

【犯罪件数(刑法犯認知件数)】
(全国)
昭和48年:119万件
↓約2.4倍
平成14年:285万件

(大阪)
昭和48年:9.8万件
↓約3.3倍
平成13年:32.7万件(全国ワースト1)


侵入盗の傾向と対策
 侵入盗とは、家人が留守中に住居へ侵入する「空き巣」、家人が寝た時間に住居へ侵入する「忍び込み」、家人が居る部屋と違う部屋に侵入する「居空き」があります。この侵入盗は、平成15年に大阪では22683件起きており、平成11年より23%増加しています。
 侵入手口別で見ると、ピッキングは平成11年には39件であったものが、平成13年に2149件もの被害が出ていました。しかし、耐ピッキングシリンダーが普及し、平成14年には1149件、平成16年8月現在で90件とピッキングの被害は減少しています。まだ、耐ピッキングシリンダーに交換されていない場合、早急に交換することをお勧めします。
 しかし、侵入盗が減ったわけではありません。ピッキングが出来ないなら窓から、と言うことで「ガラスの焼き破り」という手口が横行し始めました。焼き破りは窓からの侵入の、一戸建てでは69.9%、共同住宅では59.9%と高い割合で使用されています。これに対抗するには、補助クレセント錠(二箇所破る必要がある)、防犯ガラス、防犯フィルムの設置が効果的です。

【侵入盗件数(大阪)】
平成15年:22683件

【侵入手口(大阪)】
(ピッキング侵入件数)
平成11年:39件
平成13年:2149件
平成14年:1149件
平成16年:90件(8月時点)

★ピッキング対策
耐ピッキングシリンダーへ交換

(ガラスの焼き破り)
窓からの侵入を100%とした場合
一戸建て:69.9%
集合住宅:59.9%

★ガラスの焼き破り対策
補助クレセント錠(二箇所破る必要がある)、防犯フィルムの設置。防犯ガラスへ交換

 防犯設備を選ぶにあたり、参考にして頂きたいのが「CPマーク」の有無です。CPマークとは「防犯性能の高い建物部品」のことで、侵入を諦めやすい5分以上の時間を稼ぐことを目的に、行政と民間が協力して作成しました。また、大阪府には「防犯モデルマンション」への登録を呼びかけております。
 また、設備のグレードアップはもちろん、入居者の心がけ・呼びかけも防犯には効果があります。徹底して欲しいのは以下の要項になります。
・ゴミ出しの時も鍵をかける
・帰宅が遅い時は電気をつけておく
・長期間留守にする時は管理者に連絡する(新聞を止める)
・ゴミ出し日を守る(ルールのある地域である、コミュニティがある)
 犯罪者は必ず下見をしているので、これだけで狙われる確立はぐっと下がります。

Q&A(セミナーに寄せられた質問)
Q.訪問販売の被害が発生しているが、どうすれば良いか?
A.入居者以外の立ち入りを禁じる意思をはっきり表示し、それでも侵入するようなら近隣の警察に連絡する

Q.ドアをバールでこじ開けられた。防ぐにはどうすれば良いか?
A.対策品の「ドアプレート」を使用すれば良い

Q.空き巣が多い時間帯はいつですか?
A.昼の12時~16時です

Q.防犯カメラは有効か?
A.こまめに見る、ビデオに撮るなど、ちゃんとした使い方をしていれば有効

Q.今後増える恐れのある犯罪は?
A.大阪では、ひったくり、路上強盗、車窃盗が増加傾向にある

Q.ピンクチラシが投函されて困っています、対抗策は?
A.投函を禁止する条例があるので、投函される時間帯を警察に通報し見回りを強化してもらう

Q.自動販売機荒しにあったが、どうすれば良い?
A.センサーライトを設置する。また、タバコ・酒販売機なら、夜間はお金を抜く

Q.道路の照明が暗いのですが?
A.市区役所に連絡すると、明るいものに交換してもらえる可能性がある

詳細・関連

社団法人全国賃貸住宅経営協会
大阪中央東支部
http://www.zenjyu.or.jp/

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