事例
古アパート20室のうち8室が空き室になっているというオーナーさんから空室対策のアドバイスを求められました。
空室対策のコンサルで当社が気をつけていることは、オーナーさんに自分が所有する物件の現状を認識をしてもらうことからはじめるということです。
そこで、物件現場へオーナーさんと一緒に行くことを提案しました。
待ち合わせ場所は最寄り駅にして、そこから徒歩15分の物件まで歩いていくことをオーナーさんにお願いしました。
大切なことは、まずこの物件までの通り道周辺でライバルとなる物件の状況を認識してもらうことです。
その通り道の沿道周辺エリアには古い地主さんが多く住んでいて、その地主さんたちが建てたアパートや賃貸マンションが相当数ありました。
その一棟一棟の外観等を見てもらうとともに、賃料、間取り、築年数、管理状況を紹介することにしました。
それから、最後にオーナーさんが所有するアパートの空き室を改めて見てもらいました。
そして当日、「今通り道で見てきた物件と比較してどうですか?」と聞いたところ、「これじゃあ決まりませんよネ」というのがオーナーさんの言葉でした。
要するに、ライバルとなる物件と比べることで、自分の物件の良し悪しを認識できるのです。
実際、その古アパートは、床には昔のベニヤが張ってあり、そのベニヤはささくれだっており、ダイニングキッチンからは水がこぼれ、木部の汚損がすすみ、畳も何年前に替えたか分らないほど傷んでいる状態でした。
また驚いたことに、お風呂には地方でもみかけない“バランス釜”が付いていました。
“バランス釜”とは、簡単に言えば、風呂場の外で点火する昔風の風呂で、故障した時にそのオーナーさんは全国から部品を探し求めたといいます。
こうして、オーナーさんが現状認識してから、リニューアル工事を提案しました。
内容は、
1床をクッションフロアにする
2木部はペンキで塗り替える
3天井と、壁紙を交換する
4キッチン設備も傷んでいるものは交換する
5風呂場はバランス釜を撤去して、大きい浴槽を設置しタイル張りにする、など
そして、リニューアルした結果、賃料を下げることなく募集をし、1週間ぐらいで空いていた8室すべてが埋まりました。
ただその後、一つ問題が起きました。
そのアパートに住む既存の入居者から、「古いままで同じ賃料ではオカシイ」という苦情が出てきたわけです。
そこでオーナーさんは古い部屋も空いたらリニューアルし、そこへ既存入居者に移ってもらうことにしました。
現在は、満室状態になっています。