「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(以下、「促進法」。)」が6月4日に成立しました。これにより、長期優良住宅に関する様々な優遇措置が具体的に動き出しました。今回はこの促進法について、詳しくお伝えします。
税金における支援
認定長期優良住宅に対しては、下表に掲げる様々な税金の優遇措置があります。中心は住宅ローン控除(下表のI)で、一般の住宅の場合に比べ、10年間で最大100万円の税負担が軽減されます。
一方、今回新設された住宅投資促進税制(下表のIIの(1))は、認定長期優良住宅の新築・購入・性能強化工事の費用について借入金がなくても使える制度で、最大100万円の税負担が軽減されます。
その他の税金の優遇措置については下表のIIの(2)~(4)をご参考ください。
住宅ローンにおける支援
●フラット50の創設
認定長期優良住宅の取得資金について、最長50年(今までは35年)の住宅ローン(フラット50)が創設されました。
● フラット35Sの拡充
認定長期優良住宅の取得資金については、住宅ローン(フラット35S)の金利引下げ(0.3%)期間が本来の10年間から20年間に延長されました。
贈与税の非課税枠との併用
長期優良住宅はやはり従来の住宅より価格は高くなると予想されます。しかし、その高くなった分は先号でお伝えした贈与税の非課税枠(500万円)を使って贈与を受け頭金とし、残りの不足資金はローンを組んで住宅ローン控除の優遇を受け節税をはかってみてはどうでしょうか。
認定長期優良住宅とは
さて、今までお話してきた「認定長期優良住宅」の意味ですが、まず、長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅で、いわゆる「200年住宅」のことをいいます。劣化対策・耐震性・バリアフリー性・省エネルギー性・居住環境・住戸面積などについて「促進法」および関連法令等で定められた基準を満たすことが必要になります。そのうち着工前に長期優良住宅の認定を所管行政庁(原則、区市町村)から受けたものを「認定長期優良住宅」といい、上記で説明した各種の優遇措置を受けることができます。
最後に
認定長期優良住宅のメリットはたいへん大きいので、是非とも活用していただきたいところですが、各種優遇措置ごとに細かな要件が決まっています。認定長期優良住宅であっても全ての優遇措置が受けられるとは限りませんのでご注意ください。
なお、ご不明の点については下記にご相談下さい。
友弘正人 (ともひろまさと)
(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
昭和24年生まれ。
中央大学商学部卒業。昭和50年公認会計士第2次試験合格開業。監査法人大成会計、アクタス監査法人社代表社員を経て、平成12年株式会社トータル財務プラン代表取締役。株式会社アート相続プラン代表取締役を兼任している。
NHK文化センター、商工会議所、日本経済新聞社、中小企業センター、三和総研、日本総研、その他講義・講演マネジメントサービス活動を展開。
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