大家さん、管理会社様の賃貸不動産経営支援サイトREPROS(リプロス)

トップページ ≫ ノウハウ ≫  公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ ≫ 路線価が発表になりましたが 2

公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ

路線価が発表になりましたが 2

前回は自己使用している不動産の相続税評価について簡単にご案内しました。今回は土地・建物を貸している場合の相続税評価についてのご案内です。

 

前回のまとめ

路線価がある地域の自己使用している宅地(自用地)の評価は
 

rosenka2_hyo1.jpg

が基本になります。
この場合の路線価は路線価図(下図参照)に掲載されている数字(評価対象地では73千円)を用います。なお、自用家屋の相続税評価額は固定資産税評価額を用います。


貸宅地の評価

他人に貸している土地(底地)はどうしても本人による自由な利用が妨げられることになります。そこで、相続税評価額は自用地より一定額減額することになっています。その評価は
 

rosenka2_hyo2.jpg

となります。さて、ここで新たに登場した借地権割合という用語ですが、これは借地権価格の更地価格に対する割合です。この借地権割合も路線価図に載っています。再度、下図をご覧ください。
 

rosenka2_hyo3.jpg

評価対象地の前面路線価は73Dとありました。前回自用地評価の際はこの73の後ろの「D」は無視しましたが、この「D」の記号が借地権割合になります。図の左上欄外に借地権割合の表が載っていますが、「D」は60%であることがわかります。なお、賃借人の持つ借地権の評価は
 

rosenka2_hyo4.jpg

です。
 

貸家建付地の評価

自己所有の貸家の敷地である宅地を貸家建付地といい、やはり自用地評価から一定額が減額されます。その評価は
 

rosenka2_hyo5.jpg

となります。
「借家権割合」とは借家権価格の固定資産税評価額に対する割合をいい、原則30%です。「賃貸割合」とは賃貸アパート等において、全体の床面積のうち賃貸部分の床面積の割合をいいます。
ここで、評価対象地の自用地評価額が1億円として、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%(満室)とすると、
 1億円×(1 ― 60%×30%×100%)= 82百万円
と評価額は大きく減少することがわかります。


貸家の評価


貸家の評価は、次のようになります。
 

rosenka2_hyo6.jpg

最後に

前回・今回とご案内した評価方法はあくまで原則になります。定期借地権や使用貸借等の場合の評価は別途定められています。不動産を多く所有の方は是非一度税理士等の専門家にご相談されることをお勧めいたします。

2008.09/16

関連記事

友弘正人 (ともひろまさと)
(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
昭和24年生まれ。
中央大学商学部卒業。昭和50年公認会計士第2次試験合格開業。監査法人大成会計、アクタス監査法人社代表社員を経て、平成12年株式会社トータル財務プラン代表取締役。株式会社アート相続プラン代表取締役を兼任している。
NHK文化センター、商工会議所、日本経済新聞社、中小企業センター、三和総研、日本総研、その他講義・講演マネジメントサービス活動を展開。
詳しいプロフィールはこちら ≫

お問い合わせ
株式会社トータル財務プラン
友弘正人公認会計士事務所
〒651-0087 神戸市中央区御幸通3丁目1番8号 ライオンズ 三宮ビル2階
TEL:078-221-7711 FAX:078-221-7717 https://topp.co.jp/